第2回 担降り記録


2015年8月3日、水道橋のTDCで私はジャニヲタ人生8年目にして2回目の「担降り」を予感した。




私のジャニヲタデビューはわりと遅咲きで、高校1年の秋。

めったにテレビを見なかった当時の私が嵐の「Happiness」のCDリリースのCMを見て「人類の中にこんなイケメンがいたのか?!?!」と衝撃を受けて大野智のファンになった。

高校3年間は「智くんカッコイイ」しか言っていなかった(ような気がするだけ)


女子大に進学したためか、周りはジャニヲタ大先輩ばかり。そのため、NewS、Hey!Say!JUMPのコンサートにも入るようになった。

そして2012年2月、Sexy Zoneのファーストコンサートでまだ高校生だった菊池風磨にハートを全て持っていかれてしまった。


2012年8月末にSUMMARYに入ってから毎日毎日「担降りとは何なのか…」と悩みすぎて「担降り とは」とググるようになってしまった私は、ようやく約2ヶ月後の2012年11月11日のバイト中に「よし!担降りしよう!」と心を決めることができた。


風磨くんに降りたての頃「私、風磨くんのファン辞めるときがヲタ卒のときだから!」「もう、風磨くんが最後の人なの!」「Jr.担?絶対ならない!なったら人生終わる」と鼻の穴を広げてもの凄い勢いで豪語していた。


風磨担になってからツイッターで情報を得たり、ヲタクたちと交流を持ち、現場も増えていわゆる「ヲタ友」の存在も増えた。

菊池担6連(菊池会)で花冠をつけて「風磨くんのファンで幸せ♡」とうちわを持ってキャッキャしたこともあったが、本当にジャニヲタをやっていることが楽しかった。



あっという間に時間は過ぎて、私は2014年の4月に無事に保育園に就職をして保育士として働き始めた。


社会人1年目、右も左もわからずにただ毎日家と職場の往復。必死になりながらも、現場があれば振込をして会場に向かっていた。


だけど、学生のときよりも、彼らに費やせる時間がグッと減ってしまっていた。ツアーも1回入れれば充分。前までは2、3回は必ず入っていたのに。だんだん気持ちも落ち着いてきてしまっていた。このままヲタ卒するのかなあ…なんて思ったときもあった。



そんな中で、近キョリ恋愛を見て岸優太くんに心を奪われ、岸くん大好き!かっこいい!抱いて!と目をハートにさせていた時間はかなり長かった。実際、SHOCKに行くと決めたときは「これは第2回担降りのキッカケになるかもしれない」とひっそり思っていた。

周りのヲタ友からも「岸くんに降りるの?」「もう岸担でしょ?」などと言われていたが、なぜか降りれずにゴネゴネしていた。



そして社会人2年目になるも、やはりコンサートに行ける時間も少なく、もはや風磨担をやっているのかも危うい状態になった。


そんなとき、TDCでソロコンサートのお知らせが来たのだ。


風磨くんに降りるキッカケとなったTDCが会場と聞いて「何がなんでも私は休みを勝ち取る!!!」と俄然やる気になった。そして、菊池会唯一の菊池担に連絡をとった。


日程は8月2日の日曜日から8月5日まで4日間の全6公演。しかも初日の日曜日は1公演のみ。友達は2、3と休み希望を出すつもりだと言っていた。


職場が水道橋から電車で15分以内とはいえ、早番定時で上がってもギリギリ。「どうしよう…休みを勝ち取りたいけどお盆じゃないし…2年目のぺーぺーが休みほしいんでください」とか言えねぇ………と絶望していた。


そんなときお散歩中に同じクラスを受け持っている先輩が「先生は夏休みってどことりたいとかある?」と声をかけてくださったのだ!!!!


「ありがとう神様!!!!!!!日頃の行いが良いおかげですね!!!!!!!アーメン!!!!」と心の中で踊り狂った。


多少の問題が発生しながらも、無事に休みを勝ち取ることができた。



8月2日、水道橋駅付近のカフェで菊池会(菊池担は2人のみ。もはやJr.担の集まり)とソロコンにつくであろうJr.の予想をしながら「てらぽんってかっこいいよね?」「はぎちゃんは顔が好み」とグダグダと喋り、菊池担2人は会場に入る。



幕が上がりソロコンが始まったが、「あぁ、風磨くんだ…」としか思えない。

なぜだかそこまで気持ちが上がらなかった。楽しみにしていたのに。めちゃくちゃかっこつけてる風磨くんを見つめて、冷静になってしまっていた。



Jr.が1人ひとり、風磨くんに呼ばれて登場する。「てらぽんいるかな〜」なんて考えながら耳に入ってきた名前は「ハギヤ ケイゴ」!!!


「?!?!!!?ちょっと!!!はぎちゃん!?!!?!」と風磨のうちわを持ちながらプチパニックを起こしてしまった。

バックにつくであろうJr.は予想されていたはずだが、調べる事など頭に全くなかった。


プチパニックを起こした瞬間から、私の視線は無意識にはぎちゃんを追っていた。


「私は菊池担として、風磨くんを見に来たんだ」と何度も何も頭で考えても、もう風磨くんはチラッと見るだけ。双眼鏡ではぎちゃんを凝視していた。


あぁ、どうしよう…戸惑ってるうちにソロコン初日が終わってしまった。



コンサートのあとJr.担の大先輩が集う菊池会に「今日はぎちゃんしか見てなかった…どうしよう」と話すと「それはもう萩谷担」「絶対降りないってどこかで意地張ってるだけ」という言葉が返ってきた。




そうなのかなあ、意地かなあ…と考えてるうちに、すごいことを閃いてしまった。


大学時代にHey!Say!JUMPの伊野尾くんにハマり、慧のうちわを作ってコンサートに入ったことがあったことを思い出した。偶然にも「けいご」も慧だった。


「慧と風磨のうちわを両方持って行ってそのときの気持ちで、出すうちわを考える」と言い、帰宅してすぐ慧のうちわを探しバッグにいれた。



2日目の朝はもう吹っ切れたかのように「今日ははぎちゃんを見るんだ」と気合い充分だった。



両部とも入ったが1部は、はぎちゃんが客席登場する席に近くて見つめすぎて、手を振ってもらっていたらしいが気付かなかった。


もちろん、持ったうちわは慧。

1公演2時間のうち、風磨くんを見たのははぎちゃんがステージに立っていないときだけ。


客席登場した風磨くんが自分の真後ろの通路を通っても、見ているのは真逆にいるはぎちゃん。今までだったら絶対に考えられない。


ここまできたら、もう認めざるを得なかった。だけど、どうしてもソロコンのオーラスのレポを見て「風磨くんがやっぱり良い」と思うかもしれないなんて考えもあった。


くりんくりんのパーマヘアーでMCでもずくといじられているはぎちゃんだったが、「髪型がもずくでも海藻でも、はぎちゃんが銀河一かっこいい」と思いながら、8月5日の17:00公演、オーラスのレポが回ってくるのを待っていた。


仕事帰りの電車の中でソワソワしながらツイッターを見ていたが、少年倶楽部の日だったこともあり私の頭の中は完全に「はぎちゃん、少年出るかなあ〜」だった。




もうこれは確実に萩谷慧悟に降りている!!!!!!!!第2回担降り!!!!!!!イエ〜イ!!!!!!



自分でもおもしろいくらいアッサリと担降りを認めてしまった。




そして、風磨ソロコンのレポも落ち着いてきた8月7日にめでたく(?)担降りのご報告をして現在に至るのだ。



本当に前回の担降りは何だったのだろうかというくらい、今回はスピード担降りだった。「でもでもだって〜」とゴネゴネする暇もなかった。

おまけに、自担のソロコンをキッカケに担降りだなんて、前代未聞。はぎちゃんが罪なオトコすぎるのだ。本当に責任をとってほしい。



自分でもまさかすぎてちょっと驚いたけど、当たり前に周りは私以上に驚いていた。

1番笑ったのは「掛け持ちではなくて?!?!」というコメント。本当に信じられなかったらしい。




今回の担降りを経験して思ったのは、担降りって直感なのかなあってこと。岸くんカッコイイって1年近く騒いで降りなかったのに、たった2時間のコンサートで降りるってもう、これは自分の感情に任せるしかないのかもしれない。


どれだけ考えても、自分の感情って止められないし変えられない。好きな人を好きなだけ、できる限り応援していきたいなあと思った。




こうして「はぎちゃんは銀河一かっこいい」が口癖の盲目萩谷担が生まれたのだった。